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くなってきていると思われる。養子縁組希望であれ、養育里親であれ、子どもにとって家庭こそが社会へ巣立つための基盤であると考え、「家」のためではなく、子どものためにという姿勢で共通している。
(5)子どもの声
今のお母さんが好き、今の家からどこにも行きたくない▽僕がいるからお母さん嬉しい、手伝ってあげて助かるでしょ▽初めのうちは児相へ帰りたいといっていたのが次第に、今の家が一番、二番が相談所というようになった▽そうか、お母さん達には赤ちゃんが生まれなかったんだね。お父さん、お母さん大人は二人いるけれど、子どもは僕だけ、一人でつまらないよ、弟が欲しい。
養子縁組前提の子どもの年令が小さく、縁組が終えると里親を辞退する方が多いことから、告知後の子どものつぶやきが少ないようである。養育里親宅にいる里子は実親の存在が心のどこかにあり、見捨てられ感や不信感があり、里親を試そうとしたり、なかなか馴染めない面があるが、自分を受け入れてくれているという安心感を得た頃から里親に心を開き、依存感をもって安定していく様子が、子どもの声に出ていると

 

 

 

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